「リードを見せても玄関で止まって動かない」
「以前は喜んでいたのに、最近は外に出たがらない」
そんなふうに、急に愛犬が散歩を拒否するようになった経験、ありませんか?
犬にとって散歩は基本的に楽しい時間のはず。だからこそ、「なぜ?」「何か悪いことが起きてる?」と不安になってしまいますよね。でも、犬が散歩を嫌がる背景には明確な原因や心理的な理由があることが多いのです。
このコラムでは、15年以上の現場経験を持つプロのドッグトレーナーとして、散歩を拒否する犬の心理や行動の原因と、その対処法について、わかりやすく、そして少し深く掘り下げてお話ししていきます。
「散歩が嫌い」な犬はいない。でも拒否するには理由がある
まず前提として、本能的に犬は動きたがる生き物です。においを嗅ぐ、走る、探索するなどの行動は、彼らのストレス発散や社会性の維持にも欠かせません。
では、なぜそんな犬が散歩を拒否するのか?
それは“嫌い”なのではなく、「散歩=イヤなことと結びついてしまっている」可能性があるのです。
散歩を拒否する原因①:体調不良や加齢による不快感
もっとも注意すべき原因の一つが、身体的な不調や痛みです。
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足を痛めている
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関節に炎症がある(特にシニア犬)
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胃腸の調子が悪い
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急な気温変化でだるい
犬は言葉で伝えられない代わりに、「行動」で違和感を伝えようとします。特に、歩きたがらない・歩くのが遅い・外に出るのを嫌がるといった様子が見られる場合は、無理に引っ張るのではなく、一度動物病院で健康チェックをしてあげてください。
散歩を拒否する原因②:過去のトラウマや怖い経験
意外と多いのが、「散歩中に怖い思いをした経験」による拒否反応です。
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他の犬に吠えられた
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雷や大きな車の音に驚いた
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人に怒鳴られた、リードで強く引かれた
このような経験は、犬にとって“外=怖い場所”という印象を残してしまうのです。特に社会化期(生後3ヶ月頃まで)にこうした経験をしている場合、その影響は長く残ることがあります。
また、怖がりな性格や臆病な気質の犬は、慣れない音や人混みに強いストレスを感じるため、散歩自体を拒否するようになります。
散歩を拒否する原因③:ハーネスやリードの装着が苦痛
「リードを見せると逃げる」という行動がある場合、リードやハーネスの装着にストレスを感じていることもあります。
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サイズが合っておらず食い込んでいる
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素材が擦れて痛い、暑い
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装着時に無理に押さえつけられた記憶がある
この場合はまず、犬が快適に感じる道具に見直すことが先決です。
首輪よりもハーネスのほうが安心する子もいれば、逆のパターンもありますので、犬に合ったものを丁寧に選んであげましょう。
散歩を拒否する原因④:季節や時間帯による環境のストレス
夏場のアスファルトの熱さや、冬場の冷たい風。人間よりも地面に近い位置を歩く犬にとって、季節の変化は非常に敏感な問題です。
特に夏の昼間は、地面が火傷レベルの熱さになっていることもあります。
そのため、犬は本能的に散歩を避けようとするのです。
また、朝や夜の時間帯によっては、交通量の多さ・人の多さ・暗さなど、犬が苦手な刺激が多い場合もあります。
散歩を拒否する原因⑤:単純に「飽きている」こともある
毎日同じルート、同じペースで歩いていませんか?
人間だって、毎日同じ道を歩いていると飽きるように、犬も刺激のない散歩には興味を失っていくことがあります。
このような場合は、
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散歩ルートを週に何回か変えてみる
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においを嗅ぐ時間をたっぷり取る
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公園で軽く遊ぶ・頭を使う遊びを取り入れる
といった工夫で、散歩を「ただの移動」ではなく、「楽しい探検」に変えていくことが効果的です。
散歩拒否への対応:しつけの前に“寄り添い”が大切
犬が散歩を拒否していると、「しつけがなってない」「わがままなんじゃ?」と悩む飼い主さんも少なくありません。
ですが、多くのケースでは、犬なりの不安や違和感のサインであることがほとんどです。
「なんで行きたがらないの?」と叱るのではなく、「どこに問題があるのかな?」と一緒に原因を探る姿勢が、愛犬との関係を深める大切な鍵になります。
散歩を再び楽しめるようにするためのコツ
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毎回無理に連れ出さず、短時間の外気浴から始める
→ 玄関前や庭で5分過ごすだけでも外への警戒心が緩和されます。 -
お気に入りのおやつを持っていく
→ 散歩=ご褒美がある、というポジティブな印象付けができます。 -
仲の良い犬と一緒に歩いてみる
→ 他の犬の安心した様子が伝染し、歩きやすくなる場合もあります。 -
散歩の時間や場所を変える
→ 苦手な音や人が少ない時間帯を選びましょう。
最後に:あなたと犬が“散歩を取り戻す”ために
散歩を嫌がる犬に無理をさせてしまうと、ますます外への恐怖心が強くなってしまいます。
まずはなぜ拒否しているのか、その気持ちに寄り添うことが何よりも大切です。
そして、焦らず、少しずつ、愛犬に「外って意外と楽しい場所なんだ」と思ってもらえるようなアプローチを重ねていけば、また一緒に気持ちのいい散歩時間を楽しめる日がきっと来ます。
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