「お散歩中、他の犬に吠えられた瞬間、うちの子が一気に怖がって動けなくなってしまうんです…」
こんなお悩みを持つ飼い主さんは、実は少なくありません。特に静かで穏やかな性格の犬や、過去に怖い思いをした経験のある子は、他犬の吠え声に対して非常に敏感です。
犬にとって散歩は刺激の多い冒険の時間。そのなかで「吠えられる」という体験があると、それがトラウマとなり、散歩自体を嫌がるようになったり、心身のストレスにつながることもあります。
今回は、犬が散歩中に他の犬に吠えられて怖がるときの心理や、飼い主としてできる適切な対応方法について、ドッグトレーナーの視点から詳しくお伝えしていきます。
他の犬に吠えられて怖がる犬の心理とは?
犬にとって「吠えられる」は脅威そのもの
人間の感覚では「ちょっと大きな声を出された」くらいの認識かもしれませんが、犬にとって他犬からの吠え声は警告・威嚇・支配のメッセージと感じるもの。とくに社会化期(生後3週間〜14週間)の間に他犬とのポジティブな出会いが少なかった犬は、その音を「怖いもの」として記憶しやすい傾向があります。
過去の経験が尾を引くことも
もし以前のお散歩中に、突然吠えかかられたり、リードがたるんだままの犬に突進された経験がある場合、犬はその記憶を鮮明に覚えています。犬はとても記憶力が良い動物で、「あの道でまた怖い犬に会うかもしれない」という予測行動をとることすらあります。
飼い主の緊張も伝染する
「また吠えられたらどうしよう」と思いながらお散歩していませんか?実はその飼い主の緊張や不安がリードを通して犬に伝わることも珍しくありません。犬は非常に感受性が高く、微妙な変化や心の揺れを感じ取ってしまうのです。
よくある飼い主の対応とその落とし穴
「だいじょうぶだよ〜」と声をかけ続ける
飼い主として励ましたい気持ちはわかります。ただ、「だいじょうぶ」と声をかけることで、犬は「この状況はやっぱり怖いことなんだ」と認識を強めてしまうことがあります。特に甘えん坊な性格の犬は、「怖がっていれば優しくしてもらえる」と学習する場合も。
その場から急いで立ち去る
危険を回避するためには有効な方法ですが、犬にとっては「やっぱり怖いものから逃げた」という体験として記憶に残るため、徐々に散歩自体を避けたがるようになる可能性もあります。
散歩中に他犬に吠えられたときの正しい対応法
1. 他犬に気づく前に「注意をそらす」スキルを
吠える犬とすれ違う状況を想定し、愛犬が他犬に気づく“前”におやつや声かけで注意をそらす練習をしておくと非常に効果的です。これは「ディストラクション(気をそらす)」と呼ばれ、恐怖心が芽生える前に安全な方向へ意識を導くための基本的なテクニックです。
2. 距離を取ってから観察させる
犬が他犬に吠えられても、適度な距離があると「怖くなかった」と感じる経験を積みやすいです。最初から近距離ですれ違うのではなく、公園の端から他犬を見せて「何も起きない」と学ばせることが、安心感の積み重ねになります。
3. 飼い主自身が毅然とした態度をとる
リードを短く持ち、胸を張り、落ち着いた声で「ついて」「見て」などのコマンドを出しましょう。犬はあなたの態度を見て、「この人がいれば大丈夫」と思えるようになります。飼い主が安全基地になることは、行動改善の最も大切な要素です。
他の犬に吠えられることが続くとどうなる?
怖い体験が積み重なると、以下のような行動の変化が見られることがあります:
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散歩に行きたがらなくなる
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自分も吠えるようになる(防衛的攻撃)
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慢性的なストレスがたまり、体調不良に
こうなる前に、怖い経験をリセットしてあげる時間と関わり方がとても大切です。
おすすめの環境とトレーニング方法
社会化トレーニングの再構築
成犬になってからでも、社会化のやり直しは可能です。人通りが少なく、他犬との距離が取りやすい環境で、静かに落ち着いて歩ける練習を積み重ねましょう。
また、ドッグトレーナーの指導のもと、**安全な犬との「ポジティブな出会い」**をセッティングすることも効果的です。あえてフレンドリーで穏やかな犬と接することで、「犬=怖くない」と再認識させてあげられます。
まとめ:恐怖心を「安心」に変えるのは、飼い主のサポート力
犬が散歩中に他の犬に吠えられて怖がるのは、決して甘えではありません。過去の記憶、敏感な性格、飼い主の反応…さまざまな要素が絡み合っています。
でも、だからこそ、飼い主ができることもたくさんあります。怖がっているときに、そっと寄り添い、「あなたの味方だよ」という姿勢で接していくことで、少しずつ犬の心は開かれていきます。
犬が散歩中に他犬に吠えられて怖がることでお困りの方は「街のドッグトレーナー」にお気軽にご相談ください!