愛犬が増えると、家の中はにぎやかになり、喜びも倍になりますよね。
しかし、多頭飼いならではの“あるあるな悩み”もついてきます。そのひとつが「食事の時間」。
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食べるのが遅い子のごはんを、早食いの子が横取りしてしまう
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フードの種類を分けているのに、交換して食べてしまう
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食事中にうなったり、けんかになる
こんなご相談は、ドッグトレーナーとしても非常に多く寄せられます。
特に、年齢差や体格差、性格の違う犬たちを同時に飼っている場合、食事管理の方法次第で、犬同士の関係性や健康状態に大きな影響が出てしまうこともあるのです。
今回は、多頭飼いでの犬の食事管理の基本とトラブル防止のコツを、プロの視点から解説します。
なぜ多頭飼いで「食事トラブル」が起きるのか?
犬は本来、群れで生活する動物。食べ物を巡る競争意識が生まれやすく、特に多頭飼いでは「誰が優先か?」が意識される場面になりがちです。
よくある多頭飼いの食事トラブル
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食べるスピードが違って争いになる
早食いの犬が、まだ食べている子のごはんを狙ってトラブルになる。 -
フードの種類が違うのに、他の子のを食べる
療法食やシニア用などを与えていても、好奇心から他の皿に顔を突っ込む。 -
ごはんの前後に唸ったり、威嚇する
食事に対する執着心が強く、近づかれることに不安や怒りを感じる。 -
落ち着いて食べられず、残す、吐く、下痢をする
緊張や焦りから消化に影響が出ることもあります。
こうしたトラブルは、放っておくと「けんかの原因」「健康の悪化」につながるだけでなく、犬同士の関係性に亀裂を入れる要因にもなりかねません。
多頭飼いの食事管理で意識すべき3つの基本原則
1. 【必須】犬ごとに「個別のスペース」を確保する
どんなに仲良しでも、食事中は一人一席が基本です。
同じ空間にいても、仕切りやクレート、ベビーゲートなどで区切ることで、「自分のごはんを安心して食べられる」という状態を作ることが大切です。
とくに、以下のようなケースでは仕切りは必須です。
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食べるのが遅い・少食な犬がいる
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食事に対して緊張感がある(唸る、威嚇する)
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食べ終わるスピードに差がある
個別スペースは“トレーニング”として教えると効果的です。最初は数分でもOK。段階的に、食事のたびにそこに誘導する習慣をつけていきましょう。
2. 【しっかり】フードの管理と犬ごとのニーズに合った選択
多頭飼いでは、同じごはんを全員に与えるのが楽ですが、年齢や体質によって必要な栄養素や量は異なります。
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若い犬には成長サポートの高タンパクなフード
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シニア犬には消化吸収を助ける低脂肪・関節ケアのフード
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持病がある犬には療法食やアレルギー対応フード
それぞれの健康状態に合ったごはんを与えるためには、間違えて他の犬のフードを食べない工夫が必要です。食事中はそばについて監視するか、食べ終わるまで仕切りを外さないようにしましょう。
また、食べ残しを放置すると、後で他の犬が食べてしまうこともあります。必ず完食したかどうかを確認し、残した場合はすぐに片づけることが大切です。
3. 【やさしく】食事に対する不安をなくす接し方
食事中に唸る、取られないかキョロキョロしてしまう…そんな行動が見られる場合は、「食事=安心できない時間」になっている証拠です。
こうした子には以下のような配慮が必要です。
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食事前後は静かな環境にして、落ち着かせる
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必ず自分のごはんは守られるという安心感を持たせる
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食器を片づけるタイミングを焦らず、余韻も大切にする
そして、絶対にやってはいけないのは「無理に取り上げる」「近づきすぎる」こと。食事への不安が強くなり、逆効果になる場合があります。
食事中のトラブル防止に役立つトレーニング
多頭飼いにおいては、日頃のしつけやトレーニングが、食事トラブルの防止にもつながります。
「待て」を教える
全員が食器を置くまで「待て」をする習慣は、犬同士の冷静さを保つのに効果的です。
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食器を置いて「マテ」→合図で一斉に「ヨシ」でスタート
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できるようになるまで、1匹ずつ練習
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フードを目の前にしても興奮しない習慣が身につく
クレートトレーニング
食事をクレート内で行うことで、犬は「ここは自分だけの落ち着ける場所」と認識できます。音や動きに反応しやすい子にも安心を与える方法です。
「おやつタイム」こそ注意を!
つい気を抜きがちな“おやつの配布タイム”こそ、食べ物への意識が強まるタイミングでもあります。
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一頭ずつに確実に渡すこと
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他の犬の手(口?)が届かない位置で与えること
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高価なおやつのときほど慎重に管理すること
犬はおやつの価値をしっかり理解しています。いつもは仲良くても、特別なおやつを巡ってケンカになることもあるため、油断しないようにしましょう。
多頭飼いのごはんは「競争」ではなく「安心」に
犬たちが落ち着いて食事ができる環境を整えることは、単なる健康管理ではありません。犬同士の関係性を守り、家族全体の安心にもつながる大切な土台です。
ごはんのたびに緊張が走るのではなく、犬も飼い主も「ホッとする時間」になるよう、環境・タイミング・接し方を見直してみてください。
多頭飼い 食事管理 方法でお困りの方は「街のドッグトレーナー」にお気軽にご相談ください!