「お散歩が楽しみなはずなのに、いつも腕が引っ張られてクタクタ…」
「犬の引っ張り癖さえなければ、もっとゆっくり散歩できるのに」
そう感じたことがある方は多いはずです。特に体格がしっかりした犬や力のある中〜大型犬の場合、散歩中の引っ張りは日々のストレスになりますし、場合によっては転倒のリスクすらあります。
しかし、実はこの引っ張り癖、きちんと原因を理解し、トレーニングのコツを押さえれば、着実に改善していくものなのです。
このコラムでは、ドッグトレーナーとして15年以上の経験をもとに、散歩中に犬が引っ張る理由と、実際に効果のあるしつけ方法について詳しく解説していきます。
なぜ犬は散歩中に引っ張るの?
犬が散歩中に引っ張るのには、明確な理由があります。
その多くは、「ただ歩き方を知らない」ことと、「リードが張ったときに止まる習慣がない」ことによるものです。
1. 単純に散歩が嬉しくて興奮している
外に出る=刺激がいっぱい。
匂い、音、他の犬、人、自転車…。
犬にとって散歩は“探検”のようなもの。特に若くて好奇心旺盛な子は、ついリードをぐいぐい引っ張って先に行こうとします。
2. リードが張る=進んでいいという誤学習
犬は「リードがピンと張ったままでも進めた」という体験を繰り返すと、リードが張る=前に進む合図と勘違いしてしまいます。
これを放っておくと、引っ張りがどんどん強化されてしまうのです。
3. 飼い主のペースを気にしていない
本来、散歩は犬と人の“共同作業”の時間。
でも引っ張り癖のある犬は、飼い主と歩調を合わせる意識がありません。これは決して悪意ではなく、そう教えられていないだけなんです。
まずやるべきこと:リードの“役割”を犬に教える
引っ張り癖を直す最初のステップは、「リードが張れない状態=リラックスして歩ける状態」を作ること。
● リードは“合図”であって、“引っ張る道具”ではない
リードは犬をコントロールするためではなく、人と犬を繋ぐコミュニケーションの道具です。
まずは「リードが緩んでいる時=飼い主と一緒に歩いている」という感覚を犬に覚えさせる必要があります。
散歩中の引っ張り癖を直す!トレーニングの具体的な方法
【ステップ1】引っ張ったら立ち止まる(=前に進めないことを教える)
犬が引っ張ったら、その場で立ち止まってください。
何度も繰り返しますが、リードが張った状態で進むと、「引っ張れば目的地に近づける」と犬は学習してしまいます。
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犬がリードを張ったら立ち止まる
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リードが緩んだら、再び歩き出す
これを何十回でも根気強く繰り返すことで、「引っ張っても進めない」という認識を犬に持たせていきます。
【ステップ2】アイコンタクトを取りながら歩く
飼い主さんの存在を意識させるために、歩きながらアイコンタクトを取る練習も大切です。
犬が横を見ていたり、前ばかり見ているときに、優しく名前を呼び、目が合ったらすかさず褒めてあげましょう。
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声かけ:「○○(名前)、いい子だね!」
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タイミング:犬が顔をこちらに向けた瞬間
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ご褒美:時々おやつを小さく与えると効果的
この練習で、犬は「飼い主と一緒に歩くと褒められる・良いことがある」と感じるようになります。
【ステップ3】方向転換で主導権を取り戻す
どうしても強く引っ張る時は、くるっと方向を変えて歩き直すのも効果的です。
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犬が前に行こうとしたら、飼い主が逆方向に向かう
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「こっちだよ」と声をかけながらリードを軽く使う
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犬がついてきたら褒める・撫でる
これを繰り返すことで、犬は「自分が主導権を持って歩けるわけではない」と気づいていきます。
しつけを成功させるためのポイント
● トレーニングは“毎回の散歩”でコツコツ行う
引っ張り癖のしつけは、1日2日で変わるものではありません。
毎日の散歩を“練習の場”ととらえ、少しずつ変化を見守ってあげましょう。
● 成功を褒めるタイミングが重要
犬が「引っ張らずに歩けた」瞬間を見逃さず、すぐに褒める or ご褒美を与えることが大切です。
行動直後の褒めが、学習の定着に直結します。
● 飼い主の気持ちが伝わる
犬は飼い主の緊張やイライラを敏感に察知します。
焦ったり、無理に引っ張ったりせず、余裕のある雰囲気で接することが、犬の落ち着きにもつながります。
補助アイテムも活用しよう(ただし使い方は慎重に)
● ノープルハーネスやヘッドカラー
→ 力の強い犬には補助的に有効。ただし、正しい使い方をトレーナーに相談するのがおすすめです。
● 伸縮リードはNG
→ 引っ張る癖がある犬には適していません。リードが常に張った状態になるため、学習に悪影響を与えます。
最後に:愛犬との“おだやかな散歩”は、しつけ次第で実現できる
犬の引っ張りは「わがまま」ではありません。
ただ“歩き方を知らない”だけなんです。
飼い主が正しいリードの使い方を教えてあげることで、犬は必ず変わっていきます。
何歳からでも遅くはありません。
あなたと愛犬が、同じテンポで、同じ景色を楽しみながら歩ける散歩時間を手に入れられるよう、今日から少しずつ練習を始めてみてくださいね。
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