「つい感情的に叱ってしまったけど…これでよかったのかな?」
「叱っても全然直らないどころか、最近は逆に目をそらされるように…」
犬のしつけにおいて「叱る」という行動はとてもデリケートなものです。適切な叱り方は、犬との信頼関係を築きながらルールを教えることに役立ちますが、誤った叱り方は恐怖や不信感を生み、逆効果になることもしばしば。
この記事では、犬を叱る時の心構え、タイミング、注意点などをプロのドッグトレーナーの視点から丁寧に解説します。今までの叱り方を見直し、もっと愛犬と心の通った関係を築くヒントになれば幸いです。
叱る前に知っておきたい「犬にとっての叱られる意味」
犬は“怒られた理由”を人間のようには理解できない
人間の子どもと違って、犬は「これをしたからダメなんだ」と論理的に因果関係を理解するわけではありません。
犬が学べるのは、「この行動をした直後に嫌なことが起きた(または嬉しくなかった)」という、瞬間的な印象の積み重ねです。
たとえば、トイレの失敗をして10分後に怒鳴っても、犬には何のことかまったく伝わりません。むしろ、「飼い主が突然怒って怖かった」とだけ覚えてしまい、人に対する信頼感が薄れてしまう可能性があります。
「叱る」と「しつける」は別物
しつけとは「犬が望ましい行動を自然と選ぶように導くこと」。
つまり、ただ怒ってやめさせるのではなく、「どうすればよかったのか」まで教えてあげることが大切です。
犬にとってわかりやすい叱り方のコツとは?
① タイミングは“その瞬間”が命
犬にとって有効なしつけは、「その場で」「すぐに」行われること。
問題行動が起きてから2~3秒以内に「ノー」「ダメ」などの一貫した言葉で伝えましょう。
たとえば、
-
テーブルに前足を乗せた瞬間
-
人の手を噛もうとした瞬間
-
他犬に吠えかかろうとした瞬間
行動を起こした“その時”に伝えることで、犬は「この行動はNGなんだ」と学ぶことができます。
② 声を荒げず、低めで落ち着いたトーンを使う
ついつい感情的に怒鳴ってしまいたくなりますが、それは逆効果。犬にとっては「大声=興奮」になり、怒っているのか一緒に盛り上がっているのか分からない場合も。
効果的なのは、低く、短く、冷静に「ノー」や「ダメ」と伝えること。人間の感情ではなく、「これはしてはいけない」というルールを機械的に伝えるイメージで行いましょう。
③ 問題行動を“代替行動”に置き換える
叱るだけでは、犬には「じゃあどうすればいいの?」が分かりません。
たとえば来客に飛びついてしまう犬なら、「おすわりしていたら褒められる」「落ち着いて待っていればご褒美がある」など、望ましい行動を強化することが重要です。
このように、「叱る」=「ダメと言う」ではなく、新しい行動へと“導く”ことこそが、しつけの本質です。
叱ってはいけないNG行動とは?
□ 叩く・蹴るなどの身体的な罰
身体的な罰は、犬にとって最も危険です。
犬は飼い主を「信頼できる存在」ではなく「怖い存在」と認識してしまい、信頼関係が崩壊します。一度失った信頼を取り戻すのは、非常に難しくなります。
また、身体的な罰は反抗心や攻撃性を引き出してしまう可能性もあるため、絶対に避けましょう。
□ 名前を叱り言葉と結びつけない
「ココ!ダメでしょ!」というように、名前を叱る時に使うと、「名前を呼ばれる=怒られる」と誤解してしまいます。
これでは、呼び戻しやアイコンタクトがうまくいかなくなります。
名前は“褒めるとき”専用に使うよう意識しましょう。
叱るよりも効果的!“ほめるしつけ”のすすめ
犬は基本的に、褒められることが大好きな生き物です。
叱るよりも、「こうしたら褒めてもらえる」「こうすれば安心できる」という体験を積み重ねることで、自然と良い行動を選ぶようになります。
たとえば、
-
静かにしていた時にそっと撫でる
-
おすわりできた瞬間に「いい子!」と褒めてご褒美をあげる
このように**“正解の行動”を強化してあげることが、結果的に問題行動の減少につながります。**
愛犬を叱るときに、飼い主が心に留めたいこと
どんなに上手に叱っても、犬が怯えてしまうようなやり方では逆効果です。
大切なのは、「叱る=ルールを教えること」であり、「怒りや苛立ちをぶつけること」ではないということ。
叱ったあとは、必ず気持ちをリセットし、犬との関係をしっかり回復させましょう。
そして、叱るよりも先に、「どうしたら望ましい行動を引き出せるか?」という視点を忘れずに持ち続けてください。
まとめ:叱ることも、愛情のひとつのカタチ。だからこそ、丁寧に
犬のしつけにおいて「叱ること」は必要な場面もあります。
しかしそれは、恐怖や罰としての“怒り”ではなく、“ルールを伝える手段”としての叱り方であるべきです。
適切なタイミングと声のトーン、そして愛犬の気持ちを理解しながら、一貫したしつけを積み重ねていくことで、犬はどんどん安心して行動できるようになります。
あなたと愛犬との暮らしが、もっと穏やかで信頼に満ちたものになりますように。
犬 しつけ 叱り方のコツでお困りの方は「街のドッグトレーナー」にお気軽にご相談ください!