「うちの子、リードをつけた瞬間に固まって動かない」「散歩コースの途中でピタッと止まってしまう」――
そんなふうに、犬が散歩中に歩かなくなるという悩みを抱えている飼い主さんはとても多いです。
特に、飼い始めてしばらく経ち、ある程度成長したタイミングでこのような問題が出てくると、「何が原因なの?」「しつけが悪かったのかな?」と不安になりますよね。
このコラムでは、犬が散歩で歩かなくなる理由を丁寧に掘り下げながら、その対処法やしつけ方法を、プロのドッグトレーナーの視点でお伝えします。
愛犬との散歩がまた楽しい時間になるよう、一緒に解決策を見つけていきましょう。
なぜ犬は散歩中に歩かなくなるのか?
まず大切なのは、「歩かない=わがまま」と決めつけず、犬の立場から理由を考えてあげることです。
犬が散歩を途中で拒否するのには、以下のような背景が考えられます。
1. 環境への恐怖や不安
外の世界には、犬にとって初めての刺激がたくさんあります。
音、匂い、人、車、自転車…それらが刺激として強すぎると、犬は“動けなくなる”という反応を示すことがあるのです。
特に、以下のような状況は犬にとって強い不安要素になります:
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大型トラックの音や工事の騒音
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知らない犬との遭遇
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強風や雨の日の散歩
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近所の子どもたちの大声や走り回る音
このような**「怖い」と感じた経験が蓄積されると、犬は「この道を歩きたくない」と学習してしまいます。**
2. 体調不良や足の痛み
歩かなくなった時に見逃してはいけないのが、身体的な問題です。
特にシニア期の犬や、急に歩かなくなった場合は、以下をチェックしてください。
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肉球に傷がないか
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爪が伸びすぎていないか
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足をかばっている様子がないか
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呼吸が荒くなっていないか
もし異変があれば、まずは動物病院で診察を受けることが優先です。
3. 飼い主との関係性のサイン
しつけの観点から見ると、歩かないことで飼い主の注意を引けると犬が学習している場合もあります。
たとえば…
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止まったらおやつがもらえた
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飼い主が「どうしたの?大丈夫?」と声をかけてくれた
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抱っこしてくれた
こうした経験を繰り返すと、犬は「止まればいいことがある」と学習してしまい、わざと歩かなくなることもあるのです。
散歩で歩かない時のしつけと対処法
では、具体的にどのように対応すればよいのでしょうか?
以下の方法を、犬の性格や状況に合わせて実践してみてください。
1. リードの引き方を見直そう
犬が止まったとき、リードを強く引っ張ってしまうのはNGです。
引っ張れば引っ張るほど、犬は「怖い」「嫌だ」という気持ちを強くしてしまいます。
代わりに、「軽くリードを緩め、少し距離をとって飼い主がしゃがみ、笑顔で名前を呼ぶ」という方法が有効です。
このとき、決して叱らず、焦らず、犬が自分の意思で動き出すのを待つようにします。
2. 苦手な場所は無理に通らない
どうしてもある場所で毎回止まる場合、その道を少し変えてみるのも一つの手です。
「散歩コースは毎回同じじゃなきゃダメ」と思いがちですが、犬にとって安心できる道を選ぶことの方が大切です。
それでもいつかは苦手な場所を克服したい…という場合は、短時間で通り抜ける→すぐに大好きな場所に連れていくという「ご褒美方式」で慣らしていくのがおすすめです。
3. 歩き出したらすぐに褒める!
これはとても重要なポイントです。
**「歩いた瞬間に褒める」「歩いたらすぐおやつがもらえる」**という経験を繰り返すことで、犬の中で「散歩=嬉しい時間」に切り替わっていきます。
最初は1〜2歩でもOK。とにかく「自分の意思で歩いた」という事実をしっかり強化してあげましょう。
飼い主が“安心感”を与える存在になる
犬は非常に敏感な動物です。
飼い主が不安そうだったり、イライラしていると、それはそのまま犬にも伝わります。
散歩中に犬が止まってしまったとき、
「どうしよう」「またか…」と感じるのは無理もありません。
けれど、その気持ちをグッとこらえて、「大丈夫だよ」「ゆっくりでいいよ」と穏やかに接することが、犬にとっての最高のサポートになります。
しつけは「その子に合った方法」がカギ
散歩中に歩かなくなる行動にも、犬それぞれの理由があります。
一律のしつけ方法ではなく、「この子がどんな気持ちで立ち止まっているのか?」を観察し、対話する気持ちが何より大切です。
焦らず、怒らず、一緒に一歩ずつ前に進んでいきましょう。
そうすることで、きっと愛犬との関係も、もっと深く信頼に満ちたものになるはずです。
犬が散歩で歩かない時の対処法でお困りの方は「街のドッグトレーナー」にお気軽にご相談ください!