理想と現実のギャップに戸惑う日々
愛犬を迎えたばかりの頃、多くの飼い主さんがぶつかるのが「しつけって、思ったより難しい…」という現実です。SNSで見かけるしつけ上手な飼い主さんや、まるで芸のようにコマンドに従う犬たち。それに比べて自分の犬は、名前を呼んでも知らん顔、トイレも失敗、噛み癖も直らない…。
でも、安心してください。実際には、犬を迎えて最初からうまくいく人はほとんどいません。しつけは「習慣」と「信頼」を少しずつ積み重ねていくプロセス。特に子犬や保護犬を迎えたばかりのご家庭にとって、最初の数ヶ月は“土台づくり”の期間といえるのです。
今回は、初めて犬を迎えた若いご夫婦が陥りがちな「しつけの落とし穴」と、「明日から試せる基本のしつけ方法」について、プロのドッグトレーナーとしての視点からお話しします。
犬のしつけは「方法」より「関係性」
よく「どんな方法でしつけるのが正解ですか?」と聞かれますが、実は「方法」だけではうまくいきません。大切なのは“飼い主との関係性”です。たとえば、子どももそうですよね。信頼関係がない相手の言うことは、なかなか聞けないもの。
犬も同じです。名前を呼んでも来ないのは、言葉が通じないからではなく、呼ばれて行く理由が見つからないから。褒められる、安心できる、楽しいことがある、そんな“ご褒美”があってはじめて、「あなたの元に行きたい」と思えるのです。
覚えておきたい「しつけの3つの基本」
それでは、しつけの出発点として、ぜひ押さえておきたい3つの基本をご紹介します。
1. 名前に反応する練習から
まず最初に教えたいのは「名前=いいことがある」という感覚。名前を呼んだときに来てくれたら、必ず褒めておやつを与えるなど、「名前=嬉しいことがある」と条件づけていきましょう。
2. コマンドより先に「アイコンタクト」
多くの飼い主さんが「おすわり」や「まて」から教えがちですが、その前に重要なのが「アイコンタクト」です。目が合う=集中しているサイン。犬がこちらに注目してくれることが、あらゆるしつけの土台になります。
名前を呼んで目が合ったらすかさず褒める。この繰り返しが、しつけの“スイッチ”になります。
3. 生活にリズムを
犬は「予測ができる」生活を好みます。ごはん、散歩、遊び、しつけの時間をできるだけ同じリズムで繰り返すことで、安心感が増し、問題行動の予防にもつながります。
また、しつけの時間も短くてOK。1日5〜10分の集中した時間を、1日2〜3回。長時間よりも、「短くて楽しい」が鍵です。
よくある失敗例と、実際の解決法
「叱っても効かない」
特に初めてのしつけでありがちなのが、「やってほしくないことを叱る」方法に頼りすぎてしまうこと。たとえば家具を噛んだ、飛びついた、吠えた…。そのたびに「ダメ!」と声を荒げてしまう。
でも実は、犬にとって「叱られる=構ってもらえた」となり、かえって行動が強化されることもあるのです。大事なのは「やってほしい行動に切り替えること」。
家具を噛んだら「おもちゃを噛ませる」、飛びついたら「おすわりさせて褒める」といった風に、「NO」ではなく「YESに誘導する」ことがしつけの本質です。
「一貫性がない」
共働きの若いご夫婦の場合、パートナー同士でしつけの仕方が違う、休日だけ甘やかすなど、一貫性が保てないケースもあります。
そんなときは「しつけノート」を作るのがオススメ。どんな行動にどう対応するかを話し合い、家族で共有するだけでも犬の混乱が減り、しつけのスピードが上がります。
成長とともにしつけも進化する
最初はうまくいかなくて当たり前。でも、犬は思っているよりずっと人をよく見ています。あきらめず、毎日のなかで少しずつ「伝えよう」とすることが、やがて信頼へと変わっていきます。
「この子、前より落ち着いてきたかも」「指示に少しずつ反応してる」そんな小さな変化を感じられる日が、必ずやってきます。
初めてのしつけで悩んでいるご夫婦へ
SNSの理想に圧倒されなくて大丈夫。しつけは、一歩ずつ、あなたと愛犬との関係性を築く旅です。焦らず、比べず、でも確実に。
愛犬との暮らしが「大変」から「楽しい」へと変わるその日まで、あなたの努力は必ず実を結びます。
初めてのしつけ方法に戸惑っている方は「街のドッグトレーナー」にお気軽にご相談ください!