犬を飼い始めてから、ある程度時間が経つと、「おすわり」や「伏せ」はすんなり覚えてくれたけど、「待て」がなかなか上手くいかない……とお悩みの飼い主さんは意外と多いものです。特に「待て」の指示は、犬の自己コントロールを養うための非常に重要な基本動作ですが、焦って強引に教えてしまうと犬のストレスにつながる場合もあります。
実は「待て」の教え方にはポイントがあります。今回は、ドッグトレーナー歴15年以上のプロの視点から、「待て」を上手に教えるための具体的な方法と、その際に注意すべきポイントを詳しくお伝えします。
「待て」が犬にとって難しい理由とは?
「待て」は飼い主の指示を聞いてじっとしていることを求められるため、犬の本能的な欲求に反した難しい行動とも言えます。動くことが本能である犬にとって「動かない」という指示は、とても難易度の高いものなのです。また、犬が「待て」を覚えにくい理由として、飼い主さんの教え方に一貫性がない、またはタイミングが曖昧になっているということが挙げられます。
さらに、犬の性格や年齢によっても、「待て」の習得速度は異なります。例えば、好奇心旺盛で活発な性格の犬ほど「待て」の習得が難しく、時間がかかる傾向があります。また子犬の場合、集中力が続かないことが多いため、短時間で繰り返し練習をする必要があります。
「待て」の正しい教え方をプロの視点で解説!
「待て」のしつけはいつから始める?
まず、「待て」はいつから始めるべきなのかという疑問をよくいただきますが、生後3~4ヶ月頃からトレーニングを始めることをおすすめしています。この時期は犬がさまざまなことを吸収しやすい「社会化期」の後半にあたり、好奇心も旺盛でしつけを始めるベストタイミングと言えます。
成犬であってももちろんしつけは可能ですが、子犬よりも習慣化するまでに少し時間がかかる場合があることは理解しておきましょう。
基本的な「待て」の教え方の手順
まず「待て」を教える際には、飼い主さんがリーダーシップを示しつつ、愛犬が安心して指示を受け入れられる環境を整えることが大切です。最初は集中力が切れないように静かな場所を選びましょう。
まず「おすわり」を指示し、犬が座った状態になったら、犬の目を見て落ち着いたトーンで「待て」とはっきり指示を出します。はじめは数秒間待たせることから始め、動かずにいられたらすぐにご褒美のおやつを与えてしっかりと褒めます。
ここでポイントとなるのが、犬が動き出す前に必ず飼い主さんが合図を出し、終了を明確にすることです。これを繰り返すことで、犬は「待て」の指示を聞けば良いことがあると理解していきます。
時間や距離を少しずつ伸ばしていく
基本ができるようになったら、徐々に「待て」の時間を延ばしていきます。最初は5秒程度から始め、徐々に10秒、20秒と長くしていきましょう。この時、一気に長くしすぎないことがポイントです。犬に成功体験を積ませながら、少しずつ難易度を上げることで自信を持たせ、より安定した「待て」を身につけることができます。
また、距離を伸ばすのも効果的です。初めは飼い主さんが犬のすぐ目の前にいますが、徐々に距離を離していき、犬が飼い主さんから少し離れた場所でも待てるよう練習しましょう。犬が動いたり落ち着きを失ったりするようなら、無理をせず難易度を下げて再チャレンジしてみてください。
上手に「待て」ができるようになるための秘訣は「タイミング」
犬のしつけにおいて何よりも重要なのは、褒めるタイミングや指示を出すタイミングです。特に「待て」では犬が動き出す前に合図を出し、ご褒美を与えることが不可欠。タイミングを逃すと犬は混乱し、「待て」の意味を正しく理解できません。犬が動いてしまった場合は叱るのではなく、改めて落ち着いた状況を作り、「待て」の指示を繰り返しましょう。
「待て」ができると犬の生活にどんなメリットがある?
「待て」ができることは、日常生活の中で実はとても重要です。例えば散歩中に急に走り出してしまう危険な状況を防いだり、ドアが開いた瞬間に飛び出すリスクを回避したりすることができます。また、来客がある際も「待て」を指示することで、犬が興奮状態になるのを落ち着かせられます。
さらに、犬が飼い主さんの指示を受け入れ、待てるようになることは、信頼関係の深まりにもつながります。犬との関係をより良好に保つためにも、焦らず時間をかけて「待て」を習得させましょう。
「待て」のしつけでありがちなNG行動
しつけ中によくある間違いとして、犬が待てているのに褒めるタイミングが遅れることや、「待て」の途中で飼い主さんが目を離してしまうことが挙げられます。また、待てができないからといって大声で叱ったり、犬にストレスを与えるほどの長時間待たせたりするのも逆効果です。犬は失敗すると自信を失い、指示に従うことが嫌になってしまいます。
飼い主さんがリラックスし、一貫性を持った態度で接することが、犬が安心して指示を受け入れるポイントとなります。
まとめ:焦らずじっくり、愛犬との信頼関係を築きましょう
「待て」のトレーニングには根気が必要ですが、焦らず愛犬のペースに合わせて楽しく取り組むことが重要です。犬が自信を持って行動できるよう、成功体験を積み重ねることが効果的なしつけの秘訣です。飼い主さんも犬もお互いが楽しめるトレーニングを心掛けましょう。
犬の「待てのしつけ」でお困りの方は「街のドッグトレーナー」にお気軽にご相談ください!